Big Drill Car
カリフォルニア州オレンジカウンティ出身4人組バンド。メンバーはFrank Daly(vo)、Mark Arnold(gt)、Bob Thomson(b)、Danny Marcroft(dr)。80年代中期から活動し、同じCRUZレーベル所属"ALL"と共に、90年代パンクブームに与えた影響は大きい。現在は解散しており、Daly、Arnoldは"The Dough Boyz"に加入。後に"All Systems Go!"を結成した。この度、2008年オリジナルメンバーで再結成。Warped Tourへの参加も決め今後の活動にも期待。(08 6/28加筆)



CD Type Thing 画像 CD Type Thing(1989-91)
A
1stアルバム。もともとカセットだったものをCDに再録したため、CD版は91年リリースらしいです。出だしから響き渡る歪ませたギターといい、腹にのしかかる重厚なリズム隊といい、楽曲のベースは"ハード・ロック"に近いです。正直私の最も苦手とする分野なのですが、思っていたより聴きやすかったのは、きっと適度なノリの良さ、爽やかさを感じさせるポップ・パンクが上手く混ざっているおかげと、何よりヴォーカルの声質でしょう。透明感を持ちながらも、情動的なヴォーカル。とは言っても、近年の"エモ"にありがちなナヨナヨしたヴォーカルではないので、"男らしさ"は失われていません。これで男臭さプンプンのヴォーカルだったら暑苦しいはずですし、逆にナヨナヨだったら楽曲が台無しなはず。上手くバランスの取れたヴォーカルは楽曲にしっくりきています。もちろん、それでも重いっちゃ重いのですが、一曲一曲がサクサクしてて、全10曲通しで25分もかからないので後を引きずらないですね。ハード・ロック+ポップ・パンクが上手く調和した名作。一つ一つのメロディもカッコいいし、ギターソロなんて鳥肌もんです。
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no worse for the wear 画像 no worse for the wear(1994)
B+
3rdアルバムにしてラストアルバムとなった作品。とにかく腹にズシンと来るような重厚な演奏隊をベースとした、80年代の元祖メロコア的サウンドが持ち味の彼ら。でもその中にあって彼らの良いところは、伸びのある明瞭なヴォーカルや、一曲単位がサクサクとしていて意外とポップであるという、その聴きやすさにあると思います。ただ、リズム隊のメンバーチェンジの影響か、1stと比べると全体的に演奏がパワーダウンしていて、勢いや力強さの面では物足りないというのが正直な感想。大人しいといえばいいのか、元気がないといえばいいのか。とは言え、ギュンギュン唸りをあげるギターが織り成す鳥肌もんのメロディラインはいまだ健在。7:Wonderingなんて思わず背筋が伸び上がってしまうぐらいカッコいいし、"硬派"なポップパンクを聴きたいならそこそこ満足できるはずです。ということで悪くはない作品なんですが、やはり1stに比べてしまうと、ということもあってかあまり手に取ることがなさそうな気がしますね。
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