OASIS
ノエル・ギャラガーが天才的で普遍的なメロディを作り出せば、リアム・ギャラガーはそれを時には野蛮に、時には繊細に、声高らかに歌い出す。こんな非凡な二人の兄弟が同じバンドで同じ曲を奏でている。それがOASISだ。イングランド・マンチェスター出身、1992年結成。わずか2年後にリリースされた1stアルバム「Definitely Maybe」はまたたくまにビッグセールスを記録。自ら公言しているように、名実ともに真のロックンロールスターとなった。そんな二人の間には、様々なスキャンダラスが後を絶たないが、それは彼らが決して揺らぐことなく持ち続け、楽曲にもはっきりと現れている絶対的な自信の裏返しでもある。普通なら傲慢に受け取られてしまいかねないものでも、彼らの作品に触れればそれも納得。UKロックをポップに優しく噛み砕き、時間をも忘れる心地よい空間を提供してくれる楽曲の数々が待っている。90年代UKロックに大きな一石を投じ、その影響力は今もこれからも褪せることはない。(07 10/13)



Definitery Maybe 画像
Definitery Maybe(1994)
B+
1stアルバム。新人バンドがデビューアルバムの初っ端から1:Rock`n`Roll Starなんて歌ってしまったら誰でも身構えてしまうもんだけど、彼らなら許せてしまうのだろうか。轟音ギターかき鳴らすUKロックのアクは残しながらも、ノエルの作り出す適度にポップで耳に残るメロディはどの楽曲にも健在。リアムの包み込むようなヴォーカルもまた然り、二人の魅力が凝縮された3:Live Forever、8:Super Sonicは思わず口ずさんでしまう良曲だ。ただ、中には冗長に感じてしまう曲も見受けられ気持ちだらけてしまうことも。1stならではの勢いは感じる分、まとまりとしてはもう少し改善の余地ありといったところか。個人的には、アメリカンパンク真っ向否定のギャラガー兄弟を好きになることはできないかもしれないですが、彼らの作り出す音楽が素晴らしいことは認めざるを得ないですね。
*1 3 5 8 13


THE MASTERPLAN 画像
THE MASTERPLAN(1998)
B+
カップリング曲やライブアクトを収録したB面集ベストアルバム。それゆえに曲順や流れなどはあまり考慮されてないのか通して聴くとなると長ったるく感じるものの、収録されている一曲一曲の出来は充実したものばかり。激しく荒々しいながらも、どこか寂しさを感じさせる1:Aquiesce、2:Underneath The Sky、8:Listen Up。ノエルのアコギ弾き語りによる4:Going Nowhere、14:The Masterplan。そして、ギターの旋律が心を落ち着かせる9:Rockin Chairでは直球の泣きメロも披露してくれる。作品全体を通して、優しく繊細で心に染み渡るロック中心の作風を感じるだけに、個人的にはサイケっぽさすら漂うインストの6:The Swamp Songや7:I Am The Walrusはこの作品には必要なかった気もした。そうすればもう少しスムーズになって、アルバムとしてのまとまりも出てきたと思うんだけど。今作から入るのはお勧めしないけど、彼らの他の作品を聴いて気に入った人は是非。
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